「音楽美学」を読む【1】ベートーヴェンピアノソナタ「熱情」
アシュケナージ(ウラディーミル), ベートーヴェン ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番&第14番&第23番 |
世の中に流布する音楽のコード進行を色々と研究してきたわけだが、暫くじっくりと1つの曲の研究をしてみたい。先日読み始めた野村良雄氏著の「音楽美学」をテキストとする。この本の第二章「音楽の形式」第一節「音楽の驚くべき秩序」を読む。 題材として採り上げられている曲は、ベートーヴェンのピアノソナタ第23番へ短調作品57の 「熱情(アッパッショナータ)」(コチラでmidi視聴)だ。
※野村良雄著「音楽美学」より引用
「tr」はトリル。キーFマイナー(=ヘ短調)から始まり、1〜4小節のコード進行は Im-V-I-V 和声動機は1〜2小節、3つの分散和音(アルペジオ=C,Ab,F)から構成されている。導音動機は3〜4小節、3つの主要音(E,G,C)で構成され、この和声動機VS導音動機の対比が、この4小節の主題で提示されている。次に、5〜8小節で、のコード進行は bII-bVI-bIIm-bVI となっているが、キーは短二度上のGbメジャーに転調していると解釈するならば、 I-V-Im-V この「Im-V-I-V」「I-V-Im-V」のコントラストが8小節ブロックで呈されている。 和声動機は5〜6小節、3つの分散和音(アルペジオ=Db,Bb,Gb)から構成、その後の導音動機との対比も前半4小節と同じ構成だ。その後、「主題の強化」→「媒介部」→「副次部」→「反復部」などで変形されて1つのソナタを構成するわけだが、まあ、とりあえず今日は上記主題部を練習することで終わり。明日、この構造についてもうちょい考えてみる。 ■関連リンク:ベートーヴェン ピアノソナタ midi ■関連記事:平均律と五度圏 |