「音楽美学」を読む【16】「野ブタ。をプロデュース」最終話
続き。 ドラマ「大奥〜華の乱〜」のテーマ曲での龍笛フレーズの五音階
このスケールは一体何だろう? 私が根音を「ラ」と読んでいるその認識を解析するなれば、チャーチ・モード(church mode、教会旋法)におけるエオリアンスケール
を基準(ナチュラル・マイナー・スケール、自然的短音階とも呼ばれる)として、「ラ、レ、ミ、ファ、ソ」を「I,IV,V,bVI,bVII」を捉えているからだ。この5音階を、キーDマイナーのすると、
馴染み深くないですか? この五音階って、今年のナンバーワンヒット曲、NEWS 山下智久とKAT-TUN 亀梨和也の特別ユニット(まだ続くかもしれないらしいが)の「青春アミーゴ」(作詞:zopp / 作曲:Jonas Engstrand, Ola Larsson, Fredrik Hult, Shusui)のイントロで流れるギターのフレーズじゃあないですか。図らずも。度々になるが再掲。
キーはGマイナーなので、ここでは
のうちの
がわかる。そして、それらのスケールは、
から構成されている。
「空」の部分でコードBメジャー解決となっているので、キーをBメジャーとして捉えると、 VIm-bVIdim-V7-#VIdim-VI-V7-I ディミニッシュコードは明らかに経過コードなので抽象して、 VIm-V7-VI-V7-I と骨格を認識する。最後のBは、G#mと代理可能。Bはたまたま代理されてBメジャーに同主調転調されている、しない場合を仮定する(7小節目がG#m)と、 Im-bVII7-bVI-bVII-Im Bになったとしても、 Im-bVII7-bVI-bVII-bIII ありゃりゃ。これも「トニックとサブドミナントマイナー」の世界だ。強気で推論するならば、ここ一ヶ月間、このブログで取り上げている曲たちは何か1つの論理、1つの歴史、1つの文化様式に基づいたものである。雅楽→龍笛→「大奥」の五音階→「青春アミーゴ」のギターフレーズ。何故、この五音階は懐かしく、力強く、説得力があるのか? 続く。 |