花より男子 最終話
花より男子DVD-BOX 十五の夏に―井上真央写真集 |
先週12月16日(金)TBS系ドラマ「花より男子」が終わってしまった。在りし日(勿論、大林宣彦監督映画「転校生」「廃市」時代)の小林聡美の豊か極まりない表情を髣髴とさせる、井上真央嬢の多彩な表情は天性の個性派女優として大成しそうな演技を見せてくれた。そして、今や日本の男性タレントの1つスタイルを築き上げたと断言してよい、HIROMI GO(郷ひろみ)的超ビミョーな”セックス・シンボリズム”の正統な継承者であるジャニーズ嵐の松本潤。なんと言ってもこの2人の掛け合いが楽しいドラマだったなぁ。栗巻あや乃役、酒井彩名嬢も良かったし。 そして。従来から述べているとおり(参照)、このドラマは大林宣彦映画や、魔法戦隊マジレンジャーの音楽を担当している山下康介氏の”音楽的守備範囲の広さと、繊細な音楽的素養”を示した作品でもあった。オープニング曲であり、最終話でもコンテストの山場や、つくし と道明寺が二人の「絆」を確認しあう場所を盛り上げたBGMをギターでコピーして、あの感動をもう一度トレースしてみよう。キーはFメジャー。4/4拍子。エレクトリックギターがリードを採る、「花より男子 "エレクトリック・ギター協奏曲(コンチェルト)ヘ長調"」とでも呼べそうな荘厳で力強い楽曲だ。
コード進行は [A-1] I-V7-IV-I-bVII7-VIm7-IV-V7 トニック(I)→サブドミナントマイナー(bVII7)→トニック(VIm7)の構成が美しい。 [A-2] VIm7-IIIm7-VI-I-VIm7-IIm7-V7-I トニック(VIm7-IIIm7)から短二度上昇してサブドミナント(VI)、アーメン(VI-I)してトニックの後循環コード(I-VIm7-IIm7-V7-I)。シンプルなコード進行構造が曲の”強さ”を表現しファンファーレのような素晴らしいオープニング曲であり、牧野つくしのバイタリティを見事に演出していた。 リード・ギターのやや歪んだ音色が主旋律を奏でるこの楽曲。山下康介氏はファゴットやオーボエがリードを取る繊細な室内楽を、エレクトリック・ギターメインの楽曲に軽々とアレンジしてしまう。その才能がスゴイ、スゴイと自分はいつも彼が担当したドラマを見るたびに尊敬しまくってしまう。今後も山下氏が担当するドラマ・映画の音楽を特集していきたい。 ■関連リンク:TBS 花より男子公式ページ |