「音楽美学」を読む【17】仮面ライダー斬鬼 四十四之巻 「秘める禁
mini-qmailでメールマガジン配送キューの制御を行なってきていたが、
最近配送遅延のクレームが多々寄せられていたため、
mini-qmail依存の配送システムを廃止して、直接postfixコマンドで送信するように
プログラムを変更した。
$MAIL_CMD = '/var/mini-qmail-4/bin/qmail-inject';
↓
$MAIL_CMD = '/var/qmail/bin/qmail-inject';<<またユーザに対して一通ずつ送信しているのも効率が悪いため、
送信アドレスリストを20ずつに区切り、そのアドレスをBcc指定して送付するようにして
送信処理の高速化を目論んだ。
仮面ライダー斬鬼で話題の中年(失礼!)男性、松田賢二氏(1971年生まれ、大阪府出身)は「フィギュア王 No.93」のインタビューが示すとおり高校生まで漫画家志望であった広義の”オタク”であり今日はクリスマスイヴ。「のだめカンタービレ」でのだめ(野田恵)が愛する劇中アニメは「プリごろ太」。渡辺貞夫、山下洋輔、日野皓正、松岡直也、坂田明、大村憲司、向井滋春、加古隆、深町純、高橋悠治、細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏、仙波清彦、渡辺香津美、後藤次利、高中正義と共演した日本のトップドラマーは「ポンタ」(村上秀一)。現代人の不安な心理を見事に描いたイギリス演劇家はピンター(ハロルド・ピンター、Harold Pinter)。メキシコの秘密の楽園はプンタ。「仁義なき闘い」はブンタ(菅原文太)。電車はパンタ。そして五音階といえばペンタ、ペンタトニック・スケールだ。そして今日はクリスマス・イヴ。メリー・クリスマス!
だが、作日まで話題の五音階はペンタとは違うのだ。では五音階ってなんだ? 安易に「五音階」「5音階」でGoogle検索、dukkiedukkieの無駄な知識を加味してまとめてみた。先に言うと「西洋音楽は7音階、日本音楽は5音階」、「5音階は土着、原始的」っていう音楽的偏見はちょっと何の意味もないかなぁ。
◆メジャー(長調)系
M-1) ドレミソラ
|C |D |E |G |A| |I |II |III |V |VI|
一般的に五音階と呼ばれるもの。メジャー・ペンタトニックスケール、通称”ペンタ”。スコットランド民謡(=ケルト民謡)「蛍の光」の旋律がこれだけで出来ていることはあまりにも有名。孫子の兵法以前に成立していた、中国、三分損益法によって算出された五音階「宮・商・角・徴・羽」もこれ(参照)であり、古琴の調弦もこの音階の上に成り立つ。中国大陸から輸入された日本音楽もこの音階を基本として使用する、と解釈する向きも多いが日本古来の音楽(雅楽)はこの順列に多少操作を加えた(m-4)、(m-5)であることが多い。明治時代学校音楽にスコットランド民謡が多大に輸入され、それらは「ヒ・フ・ミ・ヨ・イ・ム・ナ」の
- ヨ=IV=4th=ファ、
- ナ=VII=M7th=シ
を省いたスケールであったので、「ヨナ抜き」(四七抜音階)と呼ばれた。これが明治〜大正期に成立した日本の「演歌」に与えた影響は確実ではある。西条八十、野口雨情、北原白秋、サトウハチロー、本居長世、中山晋平、古賀政男、小関裕而、服部良一ら大正〜昭和初期に西洋音楽にあこがれた面々は必ずこの五音階で(「流行り唄」を書いている。奄美大島の奄美音階、モンゴルのホーミー、馬頭琴の音楽もこれ。その他、「アメージング・グレイス」「笑天のテーマ」などなど。
中国音楽にせよ、ケルトの音楽共に西洋和声学、西洋旋法とは比較的遠い単旋律を主とする音楽であり、それらがこの五音階に依存していることこそが非常に興味深いのだ。
M-2) ドレファソラ
|C |D |F |G |A| |I |II |IV |V |VI|
これも一般的とされることが多い。尺八の五音階がこれの順列組替え「レファソラド」ようだ。
M-3) ドミファソシ
|C |E |F |G |B| |I |III |IV |V |VII|
琉球=沖縄五音階、「長音階二六抜き」、「レラ抜き」とも呼ばれる。
M-4) ドレミファソ
|C |D |E |F |G| |I |II |III |IV |V|
「ジングルベル、ジングルベル〜♪」の音階。メリー・クリスマス。
◆マイナー(短調)系
m-1) ラドレミソ
|A |C |D |E |G| |I |bIII |IV |V |bVII|
(M-1)の同主調転調。マイナーペンタトニックスケール。ブルース、ジャズ、ロックン・ロール、一部ロック(といっても大半だが)などでは、メジャーキーAの場合でもこのスケールでソロを取る。ブルーノートは3rd=IIIがフラットして、b3rd=bIIIとなっており、M7th=VIIがフラットして、m7th=bVIIとなっているためだ。西洋平均律とアフリカ黒人を”資本主義の帝国主義段階”た出会わせた、その奇跡的な発明品 と言えよう。ロックギターのソロと言えばこの五音階(=マイナーペンタトニックスケール)をマスターするだけで、何とか中学生・高校生時代はやり過ごせる重宝品。同時に日本の演歌、バルトークが収集したハンガリー民謡、中国民謡などもこのスケールに依存するものが多い。「二六抜き」とも呼ばれ、日本のわらべ歌に多い。
m-2) ラレミファソ(ミラシドレ)
|A |D |E |F |G| |I |IV |V |bVI |bVII|
「野ブタ。をプロデュース 青春アミーゴ」、「大奥」で話題の日本人の心根揺さぶる五音階。愛地球博 サイバー日本館の「earth音階」=「ミ(e)・ラ(a)・レ(r?)・ド(t=tonic)・シ(h=b)」音階でもある。これを研究中だが、歴史的裏づけは web から検索することが不可能であった。
m-3) ラシドミファ
|A |B |C |E |F| |I |II |bIII |V |bVI|
(M-1)を「ヨナ抜き」のまま、ナチュラルマイナースケールに置き換えるとこの五音階ができるため、「四七抜短音階」、「都節音階」と呼ばれる(参照)。古代陰旋法から4th=IV=レを加え、七抜き短音階(ラシドレミファ=6音階)へ発展、滝廉太郎「荒城の月」や古謡「さくら」はこの音階から成り立つ。
m-4) ラシレミソ(レミソラド)
|A |B |D |E |G| |I |II |IV |V |bVII|
順番を変えるとすると(M-1)(m-1)と同じだが、そのドリアン(レ〜)展開とも言える。日本古来の五音階で、古謡・民謡・祭り囃子で用いられる「陽旋法」=「田舎節」(参照)。八丈島の舟歌、などの例がある。高木東六氏はこの順列を変えて「ラドレミソ」と語っている。
m-5) ラシbレミソ(ミファラシレ)
|A |Bb |D |E |G| |I |bII |IV |V |bVII|
日本で「陰旋法」=「都節」と呼ばれる五音階(参照)。雅楽の古典「越天楽」のAパートは、一部の経過音(擦り)を除けばこの五音階のみで成り立っている。漢詩の吟詠の旋律もこれに依存する。
m-6)ラシドミソ
|A |B |C |E |G| |I |II |bIII |V |bVII|
高木東六氏が定義する「陰旋法」。
m-7)ラシレミファ#(レミソラシ)
|A |B |D |E |F| |I |II |IV |V |bVI|
こういう解釈もあるのかな。(m-4)の順列組替え? 日本の笛のスケールとする意見もあるが、自分が演奏している龍笛に鍵って言えば、そうとは決して言えない。
ともあれ、五音階は私たちの大変身近に存在している。とりあえず五音階に関する情報列挙までに留まり、毎度遅くなってしまったが、仮面ライダー響鬼 12月18日放映、四十四之巻 「秘める禁断」。ザザンキ決意の変身。そして音撃は三十七之巻と同じく、
F#m
e:/14\------------------------------|
B:--------14-17-14------------------|
G:----------H--P---12-13-14-13-12---|
D:-------------------H--H--P--P-----|
A:----------------------------------|
E:----------------------------------|
F#m
e:----------------------------12----|
B:----------------12-13-14-12----14-|
G:-14-15-16-15-14---H--H--P---------|
D:---H--H--P--P---------------------|
A:----------------------------------|
E:----------------------------------|
F#m
e:----------------------------------|
B:----------------------------------|
G:----------------------------------|
D:-4--------------------------------|
A:-4--------------------------------|
E:-2--------------------------------|
キーF#マイナー、経過音を省略するとスケール
|F# |G |A |B |C# |E| |I |bII |bIII |IV |V |bVII| |ラ |シb |ド |レ |ミ |ソ|
五音階のマイナーペンタトニックスケール「ラドレミソ」に「bII=シb」を加えたもの。五音階はあまりに説得力強い旋律を構築する基準(=スケール)であり、それに何かにの音を加えることで、豊か極まり無い表現力を獲得するのだ。
■関連リンク:吟詠の音階を探る(←これは滅茶苦茶面白い)村上”ポンタ”秀一公式サイト
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