「音楽美学」を読む【23】インクレディブル・ストリング・バンド
Incredible String Band 5000 Spirits Or Layers of the Onion Judy Collins Who Knows Where the Time Goes |
やっと、部屋の掃除が一段落ついた。野村良雄氏著「音楽美学」の章立ては
の五章から構成されている。第一章は古代ギリシアからスタートして、哲学(or 宗教)と音楽の関係史、第二章は今まで読んできたように、和声と音階、及びリズムの研究。第三章は「絶対音楽」と「非絶対音楽」の対比、第五章は音楽に関する、作曲・演奏・批評・鑑賞行為の研究を行っている。
から構成されるのだが、この第三節「国民様式」では、イタリア、ドイツ、フランス、イギリス、スペイン、スカンジナビア、ロシア、ハンガリー、バルカン諸国、アメリカ、日本…などなどの「音楽人種学」が展開されており、この部分が非常に興味深い。
野村良雄著「音楽美学」より引用
I-bVII7-VIm7-IIm7-V7-I トニック(I)→サブドミナントマイナー(bVII7)→トニック(VIm7)→サブドミナント(IIm7)→ドミナント(V7)→トニック(I)、トニックから長二度下降してサブドミナントマイナーに進んだのち、短二度下降してトニックに戻った後、完全四度上昇を繰り返すという、非常に美しいコードパターンである。ここでもトニックからのサブドミナントマイナーにいたる流れが重要な進行であることを押さえておこう。 以前採り上げたように、ジュディ・コリンズはケルトの女性シンガー、サンディ・デニー(Sandy Denny)をもメジャー音楽シーンに紹介していた。音楽史を追うことで、20世紀の音楽が一体何を埋めようとしたのか、20世紀に行われた帝国主義的侵略と移民の歴史が何を生み出したのかが見えてくる。 ■関連記事:前回 |