ヤードバーズ「幻の十年」



















 単純なギターリフで週末を過ごす。労働力として再生産されるようにギターリフの古典で癒される。




 先週のVan Morrison "Wild Night"と同じポジションから、同じくEマイナーで、単純なコード進行で遊べて、かつカッコィィリフといえば、ヤードバーズthe Yardbirds)の”幻の十年(Happenings Ten Years Time Ago)”。イントロは置いといて、歌Aパートでのギターリフ。




ギターリフ考案:(おそらく)Jeff Beck
コピー:dukkiedukkie
Em
+ + + +
e:-7--77-----------|
B:-8--88-----------|
G:-9--99-999-8-7-6-|
D:-9--99-----------|
A:-7--77-777-6-5-4-|
E:-----------------|

 Eマイナー一発のところに、このリフが入るだけで多種多様なコード解釈が可能だと思うのだが、解析するには体力が必要そうなので今日はやりません。あしからず。


 今更言うべきことでもないかもしれないが…。ジェフ・ベックって、なんちゅうか、絶対そのときのヒラメキとかカンとかでリフやフレーズを気ままに作ってる。


 そして、よくそこに、テンションとか、不協和音とかが混じってて、普通、音楽としてちょっとキマらなくなったり、壊れちゃったりするような箇所でも、ジェフ・ベックがやっているだけで、ギリギリのところで音楽的に成り立ってしまう、みたいな才能をもっていると思う。瞬時にして和声的、リズム的な辻褄を合わせるスキルが尋常でない、って感じだ。


 ま、それって、ホンモノの天才しか持ちえないようなものなんだけど。ロック・ギタリストのなかで、これほどの才能を持っているヒトというと、正直、ジェフ・ベック以外にいるとは思えない。




 自分が高校生の1980年代、「幻の十年」は幻の録音で入手できなかった。聴くためには、当時1万円以上のプレミアが付いていた、アメリカのColumbia盤の「Greatest Hits」を入手しなければならなかったが、なかなかそのレコードは見つからなかった。で、しかたなく、ジャケットに”ヒヨコ”のイラストが書いてある米国海賊盤(4,000円くらいのもの)に、ラジオ・ライブでの「幻の十年」が収録されていたので、それを購入し、そのとき初めてこの曲に出会った。


 今なら、俗称「Roger the Enginner」と呼ばれる白地のアルバム「Yardbirds」に収録されていると思っている人もいるかもしれないが、それは多分、1990年代になってからCD化されたときのタイミングだったと思う。

 昔、入手できなかった時代に高い金を払って手に入れたものが、容易に手に入るようになると、ガクッ、とするのはするのだが、まぁ、概ねそういうものだ。



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